8/14に長野県朝日村の朝日美術館で開催されている、
『死と再生のカストロフィ』 下田ひかり展
に行ってきました。
朝日村開村130年
今回の下田ひかり展 『死と再生のカストロフィ』は朝日村開村130年にあわせて、朝日村出身である下田ひかりさんの個展となっています。
朝日村とは
https://ja.wikipedia.org/wiki/朝日村
村名の由来は明治の大合併で誕生した朝日村が、松本盆地の南西に位置し朝日が一番先に村に照ることや、朝日のように輝く村になることを願うなどの理由による。
『死と再生のカタストロフィ』とは
前回のブログ記事
下田ひかりさんはこう言っています
ここ10年、人類は大きな価値観のゆらぎの時代に突入したように思う。既存の価値観は廃れ、見直され、人間そのものが再評価されようとしている。自身の価値観を見直す行為はたいていの場合苦痛を伴い、軋轢が生まれる。あらゆる正義のみが存在し、悪意ではなく感情と正義によって争いが発生する。
この進化の果てに人類はどこに行きつくのか。ともすればお互いに殺し合う絶滅の道を歩んではいないか。現代は大きな破局(カタストロフィ)に突入したように思われる。
この混沌とした世界で寄る辺の無くなった我々は、どう生きていけばいいのだろう。何に救いを求めるのだろう。
3回目の下田ひかり展
行かなきゃ行かなきゃと思いながら、8月になってしまい、朝日美術館に行く方法はかなり限られていて、もう松本や塩尻ではレンタカーをを借りることは無理と判明したので、思い切って車で行くことにしました。
http://ss042855.stars.ne.jp/2018/08/14/朝日村開村130周年おめでとう!/
途中は絶対高速渋滞あるだろうと予想してはいましたが、6時間かかった・・・
ですので、着いただけですでに感動。
「きたよ・・・」
いざ乗り込む!(下田ひかりさんから招待状いただいていました)
下田ひかりさんの個展は今回が3回目。
朝日美術館の入り口のタペストリーがまた良い感じです。
招待券をいただいていたので、入り口でおばちゃんに渡すと、「一人で良いの?」って。1券で2人まで有効だったのですが、聞いてくれることと雰囲気が朝日村サイコーって感じ!でふわっとしました。
死と再生のカタストロフィ鑑賞
スリッパに履き替えて、いよいよ鑑賞です。
まず最初の部屋で記帳させていただきました。
最初の部屋では『この星の子ども Children of This Planet』お出迎え。
僕が最初に彼女の作品を知ったのはこのシリーズ。
この星の子ども6 Children of This Planet#6 2012年左上
この星の子ども29 Children of This Planet#29 2015年右上
この星の子ども23 Children of This Planet#23 2014年左下
この星の子ども24 Children of This Planet#24 2014年右下
この星の子ども25 Children of This Planet#25 2014年左上
この星の子ども30 Children of This Planet#30 2015年右上
この星の子ども28 Children of This Planet#28 2015年左下
この星の子ども31 Children of This Planet#31 2015年右下
この星の子ども4 Children of This Planet#4 2012年左上
この星の子ども21 Children of This Planet#21 2014年右上
この星の子ども7 Children of This Planet#7 2012年左下
この星の子ども9 Children of This Planet#9 2013年右下
次の部屋は円形のホールになっていて、まず右にこの作品群が並びます
Self Portrait#1 2009年左上
Self Portrait#3 2009年右上
キャラクターのお葬式 Funeral of Character 2010年左下
簡単な悲しみ Easy Sadness 2010年右下
戦争ごっこ Play War 2009年左上
ひみつ Secret 2009年右上
ロンリー・ヒーロー Lonely Hero 2011年左下
ロンリー・ヒーロー2 Lonely Hero#2 2011年右下
左側には僕の中で下田ひかりさんといえばこれ!という、「神様の行方 Whereabouts of God」シリーズが並びます。
神様の行方22 Whereabouts of God#22 2015年 左上
神様の行方16 Whereabouts of God#16 2014年 右上
神様の行方24 Whereabouts of God#24 2016年左下
神様の行方15 Whereabouts of God#15 2014年右下
神様の行方14 Whereabouts of God#14 2014年 左上
神様の行方21 Whereabouts of God#21 2015年 右上
神様の行方6 Whereabouts of God#6 2013年 左下
神様の行方1 Whereabouts of God#1 2012年 右下
こう横一線で観ると圧巻です。
そして1番奥の部屋です。
これは魔法少女縛りでしょうか。
誰が魔法少女を救うのか? Who Will Save the Magical Girl? 2011年 左上
終焉のレクイエム End of Requiem 2015年 右上
Our God’s Birthday 2017年 左下
人類滅亡叙事詩(We Cannot Redio) We Cannot Redio 2014年 右下
宇宙なんてしらない The cosmos, It is none of my business. 2013年
この作品も細かい。コラージュのパンダシールめちゃいます。
自分の命を戦え Figfht for Your Own Life 2017年
逆にこちらはシンプル。立体とそうではない部分との構図がすごい。
きっと私たちは何も知らない We Probably Don’t Know Anything 2012年
奥の部屋には、神様の行方シリーズの0(ゼロ)が展示してありました。
神様の行方0(ゼロ) Wherebouts of God#0 2014年
やっぱり僕の中では神様の行方=下田ひかりさんというイメージでしたし、この作品はサイズも大きく、瞳の輝いているのだけどどこか濁っている感じがとても好きです。
そして中央の部屋に1番存在感を出していたのが、今回の展覧会の題名にもなっている、
死と再生のカタストロフィ The Catastrophe of Death and Regeneration 2018年
1番奥の部屋ではスクリーンでこの作品の制作過程がVTRで流れていました。
下田ひかりさんの作品は本当に何度も何度も上画き上塗りされることで、見え隠れする絵そのものや言葉たち。作品の中の子どもや魔法少女の言葉が変化していることも、この作品で表現されていて、ずっと観ていたいほど吸い込まれます。
本当はオープニングやトークイベントの日に観に行きたかったですが、遠くて7・8月はずっと忙しかったので仕方ないと諦めましたが、それでも来てよかった!車で6時間かかった甲斐がありました。
今回の展覧会の図録はポストカードになる装丁。
2冊買えばよかった・・・
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