ジョアン・ジルベルトをご存知でしょうか。ブラジル音楽の至宝、ボサノヴァの法王。ジョアンは奇跡の来日を3回果たしています。2003、2004、2006年。(4回目の2008年は中止)声とギターのみで表現される静寂の世界。彼そのものがボサノヴァです。
そんなジョアンの3回目の来日になった2006年の日本公演の映像が2019年に奇跡の解禁!日本限定5000枚のブルーレイディスク発売の前に、1週間限定で東京、名古屋、大阪で上映されるとのことで、初日に行ってきました。
ジョアン・ジルベルトに関して、ボサノヴァに関して、日本公演についても書き始めたらキリがないくらい書きたいことはあるのですが、僕より詳しい方はたくさんいるし、今回はライブ上映に関してのみ書きたいと思います。
今回僕が伺ったのは、初日の3/8 渋谷Bunkamuraル・シネマ。
会場には2006年のコンサートステージセットが再現されていました。
1週間限定で1日1回しか上映がないので、奇跡の来日と同様にコアなファンで満員。
僕は2003年、2004年、2006年の3回とも運よくコンサートに足を運べました。初の2003年は緊張しすぎて感動しすぎ。2004年は20分のフリーズも体験(これは検索してみてください)、4時間近くの45曲を披露してくれた場所にも遭遇。
そして2006年。この年はプライベートでいろいろあってジョアンのコンサートがなかったら、自分でもその後どうしただろうと思うくらい、彼の公演に助けられた。ジョアン・ジルベルト信者の方からするといろいろなご意見あるでしょうが、僕的には思い入れが一番あるのは2006年なんです。
そんな2006年の映像。当時世界初の公式DVD化!として先行予約があったものの、発売中止になった経緯もある。
コンサートと同様、ジョアンの奏でる音以外は全くない静寂な空間で上映がスタート。
セットリスト
M1 Ligia(Antonio Carlos Jobim)M2 Pra Que Discutir com Madame?(Janet de Almeida – Haroldo Barbosa)M3 Morena Boca de Ouro(Ary Barroso)M4 Doralice(Antonio Almeida – Dorival Caymmi)M5 Da Cor do Pecado(Bororo)M6 Tim Tim Por Tim Tim(Geraldo Jaques – Haroldo Barbosa)M7 Retrato em Branco e Preto(Antonio Carlos Jobim – Chico Buarque)M8 Samba de Uma Nota So(Antonio Carlos Jobim – Newton Mendoca)M9 Estate(Bruno Martino – Bruno Brighetti)M10 Samba da Minha Terra(Dorival Caymmi)M11 O Pato (Jayme Silva – Neuza Teixeira)M12 Corcovado(Antonio Carlos Jobim)M13 Aguas de Marco(Antonio Carlos Jobim)M14 Treze de Ouro (Heriverto Martins – Marino Pinto)M15 Desafinado (Antonio Carlos Jobim – Newton Mendoca)M16 Pica-Pau (Ary Barroso)M17 Meditacao (Antonio Carlos Jobim – Newton Mendoca)M18 Aos Pes da Cruz (Marino Pinto – Ze da Zilda)M19 Bim Bom (Joao Gilberto)M20 Chega de Saudade(Antonio Carlos Jobim – Vinicius de Moraes)M21 Garota de lpanema(Antonio Carlos Jobim – Vinicius de Moraes)
2004年に日本公演CDのイメージが強くなっていたのか、僕の脳裏におるジョアン・ジルベルトと改めてスクリーンで映し出されるジョアン・ジルベルトは僕のイメージより若々しかった。
13年前の奇蹟を改めて観ることができて、微かに脳裏に焼き付いていることと、今回の映像で新たな発見もあった。
まず序盤でジョアンの額に汗が滲んでいたこと。カメラからの映像だからアップになりわかったこと。ジョアン・ジルベルトは東京国際フォーラムAという大きな箱を空調を止めていたし、照明も浴びているから熱いのもあるとは思うが、ジョアンの汗はなんだか意外でした。
曲と曲の間のジョアンの表情や仕草、客席からだと細かくてわからなかったが、感謝の意を表す表情だったり、指をさすっていたり、他のライブ画像では知り得なかった細かなことも。
O Patoの演奏が終わる手前に眼鏡がずり落ちてしまうシーンは、当時もハプニングとして覚えていたけど、あんな可愛い表情していたんだなと。もう演奏の中盤から「ジョアン、メガネ、メガネ…」と心で呟いてしまうくらい微笑ましい映像。
カメラは合計8台で撮影していたとのことで、ジョアン・ジルベルトの細かな表情はさることながら、ヴィオラゥンの指使いにも感動。またバックからの映像は1996年Umbria Jazz Festivalの映像を思い出させるアングルもよかった。
神様的に語られることが多い(もしくは変人としても)ジョアン・ジルベルトが、温かみのあるアーティストに感じられた。
そしてル・シネマの劇場がジョアン・ジルベルトを本当に聴きにきているオーディエンスだった。当時を彷彿させる静粛な時間。皆がジョアンの奏でる時間に対していたのもとても良かった。
当時もあまりにも心地よく寝ている人がいたが、今回も隣の女性が早い段階でウトウトしていて、僕はそれはそれで良いことだなと勝手に思ったりもしてしまった。
今回限定生産されるブルーレイディスクでこの映像は何度でも楽しむことができるのだけど、大きなスクリーンで観れたことが本当に良かったと思う。
先着で配布されたポストカード。
1週間限定の上映なので映画館のスクリーンで観れるのは今回限りではあるが、チャンスがあればまたいつか上映してほしい。
13年の月日が経って世に出てきた映像。
世界初の公式ライブ映像として商品化されたことに関係者の皆様に感謝するのと同時に
ジョアン・ジルベルト本人にも「Obrigado ありがとう」と言いたい。
今回行けなかった方はまずこの予告編を観て欲しいです。
Special Blu-ray BOX “通販限定5,000セット” ※限定数に達し次第終了
https://spaceshowerstore.com/detail.php?goods_id=1797
店頭でお配りしていたフライヤー。まだ少しあります。欲しい方おっしゃってください。
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