林さんの恋愛小説「恋はいつも なにげなく始まって なにげなく終わる。」のblog。書かなきゃと思いながらも、なかなか感想書けなかったので一気に書きました。タンコです。
都内で僕の好きな店の1つあげるとしたら
渋谷、宇田川町の裏通りにある“BAR BOSSA”
名前のとおり、ボサノヴァが流れるBAR。
特にワインとワインとの相性が良い食事が楽しめる隠れ家的なお店です。
でもリアルにはまだ10回くらいしかお邪魔したことないんです。
地方からだと帰宅時間に限りがあったり、BAR BOSSAはおひとり様が入店できないお店だったりするからなのですが・・・。本来ならもっと通って応援したいのですがすみません。
今回はBAR BOSSAのマスター林 伸次さんの著書
恋はいつも なにげなく始まって なにげなく終わる。(幻冬舎)
をご紹介しようと思います。
商品紹介と著書の帯に小西康陽さんのコメントをご紹介
人はなぜバーテンダーに恋の話をするのだろう? cakesスタート以来、常に人気ナンバー1の恋愛エッセイの名手にして、渋谷のバー店主が綴るカウンターの向こうのラブストーリー
恋はいつか消えてしまう。ならば、せめて私が書き留めて、世界に残しておこう――。
スタンダードナンバーの音楽とお酒のエピソードとともに綴られるのは、燃え上がる恋が次第に冷め、恋の秋がやってきたと嘆く女性。
1年間だけと決めた不倫の恋。
女優の卵を好きになった高校時代の初恋。
かつての彼女とよく通ったパン屋さんを訪ねた男性。
学生時代はモテた女性の後悔。
などなど、世界の片隅に存在した恋のカケラたち。誰かを強く思った気持ちは、あのとき、たしかに存在したのだ。切なさの記憶溢れる恋愛小説。
できることなら永遠に続編を読んでいたい気持ちと、このすこし物足りないような感覚こそが贅沢なのだ、という気持ちとが交錯する。恋愛を人生のすべてと考えている人々のための一冊。
――小西康陽(音楽家)
最初の出会い
僕が最初に林さんを知ったのは、(BARBOSSAを知ったのは)20代後半のころだったと思う。
幼い頃近所の喫茶店で流れていた「ゲッツ/ジルベルト」に衝撃を受けて、「ゲッツ/ジルベルト」とアストラッド・ジルベルトの「The Astrud Gilberto Album」のLPを買ったことがブラジル音楽との出会い。(すごく典型的ですが、小学生で買ったというのがミソ)そこから運よくジョビンの来日コンサートも体験できた。ジョビンの日比谷野音に行ったのは今でも自慢できるひとつではあるのですが、当時僕はポルトガル語歌詞の意味などほとんど分からず、ただジョビンの美しいメロディとポルトガル語の響きだけで聴いていたと思う。
大学になって地方に進学したこともあり、1度ブラジル音楽熱は完全に冷めてしまった。
それから大人になって、ジョビンのメロディ、ジョアンの声を改めて聴いてみたら、初めて聴いた時とは違うブラジル音楽(ボサノヴァ)の素晴らしさを再発見、またブラジル音楽熱が復活。
その復活したきっかけの一つが、当時のBARBOSSAのホームページやブログであったり、
林さんが書かれた「BOSSA NOVA」というブラジル音楽の遍歴をわかりやすくまとめた本でした。当時ビレヴァンが出始めたころでそこで平積みされていた記憶があります。(もう廃刊されていると思います)
ネットも本もそれぞれ別々で楽しんでいて、はじめはBARBOSSA=林伸次さんではなく、偶然それぞれに出会いました。
BAR BOSSA
そして僕が初めてBAR BOSSAに行ったのは30代前半。
当時僕は離婚したばかり。おひとりさま禁止というのもあり都内にいる女友達にお願いして行く予定が、当日仕事が残業になって友達の友達と一緒に初来店。東急ストア前で待ち合わせて5分後にはBAR BOSSAでワインを注文するという考えられないスタート。最初の10分くらいは会話がぎこちなかった記憶しかありません。それでも楽しみにしていた店でしたし、美味しいお酒と心地よい音楽も相待ってその後は会話も弾んで楽しかったけど、今となっては何を話したかは思い出せませんが。(笑)
会社のスタッフとセミナー前に1度だけランチタイムに行ったこともありました。その時は林さんの奥様がいらっしゃって、「あの方が、林さんの奥様か、リアルに初めて見た!」と感動したこともありました。(今はお昼営業されていません)
Twitterで知り合ったフォロワーさんたちと伺うパターンが1番多く、共通のボサの話や当時のTwitterの中での会話の続きをワインを飲みながら楽しんでました。
林さんの小説との出会い
今回の林さん恋はいつも なにげなく始まって なにげなく終わる。はnoteで公開されてきたそれぞれの短編恋愛小説をアレンジし直して1冊にまとまった本です。
このいろいろな話がどれもとっても読みやすいのですが、僕が最初に林さんの小説の虜になったのはTwitter。BAR BOSSA閉店されて帰宅されてTwitterにアップされる小説を読んで寝るのが僕の楽しみのひとつでした。
Twitterですので140文字内でどんどん公開されていたのも、当時は新鮮で、内容も恋愛だけではなく、今より純文学だったり、アンダーグラウンドだったり、SFぽかったりしてそれがとてもよかった。
同時間に林さんのTwitterを読んでいる方ともTwitter上でツイートしあうようになり、リアルにお会いしてBAR BOSAAに行くという不思議な出会いもあったり。
その後、pplogやfacebookページ、そしてnoteにとご投稿の場が変わります。小説だけではなくcakesなどコラムもアップされるようになり、当初の小説だけではなくなり恋愛ネタ全般でご活躍されるようになります。
恋はいつも なにげなく始まって なにげなく終わる。
今回の恋愛小説、恋はいつもなにげなく始まって なにげなく終わる。
林さんの短編小説をずっと楽しみに読んでいた身としては、今までTwitterやfacebookで読んでいた話がたくさん出てきてすごく懐かしい気分にタイムスリップできるんです。
「やっぱりこの話はキュンとするな」
「これ今読むとまた違う感覚かも」
1つの話には必ず、お酒と音楽が出てきます。
今の若者は外食はおろかBARで飲むことも少ないでしょうし、音楽もじっくり聴く時間も僕らの頃よりはずっと少ないはず。ましてはレコードやCDなどでわざわざかけるという工程はしないというより、これに関してはしたことない人のが多いのかもしれません。
この小説を読んだこときっかけで、BARに行ってお酒を楽しむこと知ってほしいし、音楽をじっくり聴く楽しみも知ってほしい気がします。
この小説は一つのルールがあります。
BARに一人できた客がカウンターに座り、それぞれの思い出やマスターオススメのお酒を注文し、静かに恋の話が始まる。そして店内には恋の話を歓迎するかのようにそれに寄り添う音楽が流れます。
林伸次さん監修のHappiness Played In The Bar -バーで聴く幸せ- compiled by bar bossa を先日から聴いている。自宅にいながらお気に入りのbarで過ごすような贅沢な気分になれる。久しぶりに自宅でワインをじっくり飲みたくなります。 pic.twitter.com/SMGbizp5PS
— タンコ (@kopenta) 2016年11月19日
そんな中でも、僕が好きな話をご紹介。
・高校生の男の子とアイドルとの恋愛。
お酒はレザムルーズ
音楽はマイケル・フランク「ザ・レィディ・ウオンツ・トゥ・ノウ」
これは僕も似たような経験があって、(アイドルではないですが)この話と同じで断りの連絡をして、お互い疎遠になって、僕はずっと彼女の活躍を見ていた。
その後の結末は、僕の場合は彼女が海外に行ってしまったから全く違うのですが、彼女がインタビューで僕とのことを想いで話してくれていた時はなんかとってもホッとしました。
・待ち合わせ、ヘッドフォンしている150センチの彼女と180センチの彼
「すごく良い買い物したね」
お酒はマティーニ
音楽はビル・エヴァンス「マイ・フーリッシュ・ハート」
林さんの小説の中でもベスト5に入る好きなエピソードです。
・マンシーニとオードリー・ヘップバーン
僕の中では林さんの小説の中で、定番中の定番の話になっています。林さんの想像のマンシーニ像なんですが、この話を読んでからはマンシーニの作品聴いても、オードリーの作品を観ても、なんか胸の奥が苦しくなります。
お酒はギネス
音楽はもちろんマンシーニ「ムーン・リヴァー」サントラ盤 ティファニーで朝食を
・魔法の赤い口紅
僕が美容・メイクの仕事しているからだからもあるんですが、全ての女性には赤い口紅の魔法を使ってほしいです。
お酒はスーズ・トニック
音楽はビヴァリー・ケニー「イッツ・マジック」
・ブロッサムのあんぱん
今回この小説を読んで、1番好きなのはこの話。本当に好きな人って僕的にはこんな時間を共有した人かなって思います。
お酒はカルバドスソーダ割り
音楽はブロッサム・ディアリー「春の如く」
・インディーズバンド
この話は結末よくあるパターンなんだけど、ベットの中で読みながらなんかすごく情景が浮かんだこと覚えています。
お酒はジャックダニエルソーダ割り
音楽はジョニ・ミッチェル「青春の光と影」
・思い出の中の女性
好きだけど言えない・・・「さよならを言うたびにに少しだけつらい。どうしてもっと一緒にいさせてくれないのだろう」
お酒をペルーノ頼むあたりも、なんかすごくこの話の男性のこと共感してしまうんです(笑)
お酒はペルーノ レザムルーズ(ワイン)
音楽はジュリー・ロンドン「エヴリタイム・ウィ・セイ・グッパイ」
最後の話はお決まりのパターンではなく、BARで働く僕と女優さんの話。これも好きです。
他の話も全部好きと言えば好きなんですが、僕が上記にあげた話は何と無く純愛だったり青臭い話が多いような気がします。ネットでは、1年限りの恋の話とか好きと言う方が多い印象ですね。
なんで林さんの恋愛小説に惹かれるのか
林さんの小説やコラムなどの作品って何種類かのジャンルがあります。
・男女の話、恋愛・SEXの話など
これが1番人気があるのかなと思います。このジャンルは僕の中では林さん=ではなくて、最初はどちらかと言うと苦手でした。
・音楽の話
ボサノヴァはもちろん、年代近いので比較的好きなジャンルが似ていることもあって、僕は彼の音楽コラムだったり、おすすめしている作品は好きなことが多い。ただ音楽に興味ない人には読みづらいのかもしれないけど、そこがまた良いです。
・飲食店の話
林さんの著書「ワイングラスの向こう側」が全て凝縮されているのだけど、飲食店のノウハウだったり、今の流れなんかもわかりやすく説明してくれます。
・小説
今回の恋はいつも なにげなく始まって なにげなく終わる
あと純文学的な話なんかも好きです。最近はあまり拝見しませんが・・・
あのレモネードの話とかも好き!
どうして林さんの恋愛小説に惹かれるんだろう・・・と自分なりに考えてみました。
僕って子供の頃から、他人に比べて恋愛体質が強い方じゃないんです。
もちろん、人並みに好きになった経験もあるし、お付き合いした数も普通だと思います。結婚経験もあるし。
ただすごく積極的な方かと言えばそうではないと思うんです。年齢もありますが、年々違う意味で恋愛下手が強くなっているかなと。
そんな僕が恋愛小説を読むと、普通の感覚に戻れるような、忘れていた感覚を思い出させてくれるような。特に今回の本は、すごく懐かしいと感じたり、憧れたり・・・
誰でもひとつは好きな話があるんじゃないかなと。
そしてBAR BOSSAも近いうちまた行こう。
誰と行くかが問題ですが・・・
『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。』オリジナル・サウンド・トラック
CDあったら普通に売れるような気がする
時間許せば本当はやってみたかったです
ぜひ如何でしょうか?
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